この記事では太陽光発電所の購入・設置を検討している皆様へ太陽光発電所の種類について整理し、それぞれの検討ポイントについて解説していきます。

まずは太陽光発電所の設置・購入の目的を明確に

土地付き太陽光発電所、住宅用太陽光発電設備、メガソーラーなど太陽光発電に関わる商品名や用語がたくさんあり、太陽光発電についてなんだか難しく感じることが多いかもしれません。

それぞれ、パネルに太陽光を当て電気を作ることは共通してますが、目的ごとに使用する制度、運用ルール、その他の条例による規制などが異なり、最終的に、投資効果と運用コストに影響を与えます。

小さい設備でも100万前後、大きい設備となると数億円となる多額の設備投資を失敗させないためには太陽光発電の種類を整理し、それぞれの特徴を理解することが重要です。

電気・電力に関わることは馴染みがなく、難しそうではありますが、以下の3点さえ抑えておけば、太陽光発電所の選び方で間違うことは少ないでしょう。

  • 「何のために」:発電された電気を「売る」or「使う」
  • 「どれくらい」:年間600万円等の「売電金額」or 年間100,000kwh等の「発電量」
  • 「どこで」  :「敷地内」or「敷地外」または「屋根設置」or「地上設置」

1. 固定価格買取制度(FIT制度)による分類

太陽光発電所は発電された電気を「売る」のか「使用」するのかで2つに、さらに、「固定価格買取制度(FIT制度)」活用の有無で2つに分かれ、大きく合計4つに分類できます。

発電事業としての太陽光発電所なのか、再エネ調達のための太陽光発電所なのか等、失敗しない太陽光発電の導入にはその目的に応じた、最適な制度活用がポイントとなります。

特に制度を利用する場合、買取単価が今いくらになっているか抑えることが重要で、以下にそれぞれの特徴と検討のポイントを解説します。

固定価格買取制度(FIT制度)
あり
固定価格買取制度(FIT制度)
なし
売電型A 全量売電型C. 電力会社相対契約型
自家消費型B. 余剰売電型D. 完全自家消費型
固定価格買取制度(FIT制度)使用による太陽光発電所の分類

A.全量売電型

売電収益を得ることを目的とした太陽光発電所です。一般的に、設置費用と年間の売電売上、または20年間の売電売上を比較し、投資の判断を行います。

発電された電気を売却(電気系統へ流す)し、原則1ヶ月ごとに発電量に応じた売電収入受け取ります。

注意点として、固定価格買取制度で保証された買取単価がいくらなのかが重要となります。特徴として、2018年認定は18円、2019年認定は14円、2020年認定は条件付き12円、2021年は条件付き11円、と年々買取単価が安くなります。

また、新設発電所であれば20年間の買取保証ですが、中古発電所の場合、保証期間20年からすでに稼働した日数を引いた期間が買取期間となるので、新設と比べ、売電期間が少なくなります。

2021年5月現在、新規の全量型太陽光発電所の受付が事実上終了しており、これから新規の発電所を購入したい場合は、すでに制度申請を終えた発電所を探すこととなります。

B.余剰売電型

発電された電気を自ら消費し、余った場合に電気を売りたいといった場合に選ばれる太陽光発電所です。一般的に、設置費用と設置後の電気料金削減額を比較し投資の判断を行います。

住宅、工場やコンビニの屋根などに設置され、その施設内で電気を消費し、電気が余った場合のみ売却します。

注意点として、住宅用太陽光などの発電出力の小さい設備だと、買取単価が高くなる一方、保証されている買取期間が10年間と短くなります。

2020年4月以降は全量売電が事実上終了したため、新設太陽光で制度を利用して売電を行う場合、この余剰売電型となります。

C. 電力会社相対契約型

固定価格買取制度を使用せずに電気の販売を行う太陽光発電所です。

固定価格買取制度期間が終了した太陽光発電所などがこれに該当し、電力会社と直接契約を行うことで電力の販売を行います。

現状、新設の太陽光発電所ではあまり選ばれない分類となりますが、今後はコーポレートPPAなど、企業の再エネ調達を目的に開発が進むことが予想されます。

ただし、発電事業として売電収入を目的とする場合は固定価格買取制度を使った売電型太陽光の方が投資効果は高くなります。

D.完全自家消費型

発電した電気を全て消費することを目的とした太陽光発電所です。

近年、RE100や消費電力の脱炭素を目指す企業などが導入が進め、増加してきた太陽光発電所の形式です。

設置費用と電気代の削減額、または再エネ電力の増加量で投資判断を行います。

工場や倉庫の屋根に設置し、消費や蓄電するタイプが一般的ですが、離れた場所にある発電所から自社工場等へ電気を送り、自家消費する遠隔託送型の発電所の開発も進み、固定価格買取制度終了後の主力発電方式となることが期待されてます。

固定価格買取制度について
再生可能エネルギーの固定価格買取制度の詳細につきましては上記、資源エネルギー庁のページをご覧ください。

なっとく!再生可能エネルギー/経済産業省 資源エネルギー庁 より

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関わる特別措置法
固定価格買取制度の根拠法となる条文については上記をご覧ください。

e-Gov法令検索 より

固定価格買取制度
太陽光発電に関わるガイドラインについては上記をご確認ください。

JPEA太陽光発電協会 より

2.定格出力による太陽光発電所の分類

目的実現に最適な太陽光発電の制度が決まったら、次は発電出力の規模を検討します。

電気事業法で定められている太陽光発電所の分類とその設置に必要な広さは以下の通りです。

名称定格出力パネル設置に必要な広さ
A. 特別高圧2000キロワット以上
(2メガ以上)
ゴルフ場跡地などの大規模な広さ
2ha以上(6000㎡〜)
B. 高圧50キロワット以上2000キロワット未満
(2メガ未満)
サッカーグランド1面以上の広さ
1ha〜2ha(3000㎡〜6000㎡)
C. 低圧
(産業用)
50キロワット未満フットサルコート1面ほどの広さ
〜1000㎡
D. 低圧
(住宅用)
10キロワット未満住宅用の屋根など
定格出力による太陽光発電所の分類

発電量の大きい順に「特別高圧」「高圧」「低圧」に分類され、また、「低圧」の中で産業用と住宅用に分かれます。

一般的に、定格出力が高くなるほど、設置基準や条例、メンテナンス義務などが強くなり、また設置費用も高くなります。

A. 特別高圧

ゴルフ場の跡地を活用した大規模メガソーラーなどで、日本国内には少ない規模の発電所です。

2メガ規模の太陽光発電所の場合、年間発電量はおよそ2,000,000kwhほどが期待できます。

純粋な建設費の単価を抑えることができるメリットがある一方、工事計画の提出、安全管理審査など手続きが複雑であったり、発電設備のほかに雨水処理施設などの追加工事が必要になったり、ランニングコストが高くなるデメリットがあります。

2021年現在では開発条件が厳しく、また空いている土地が少ないため開発件数は多くありません。

B.高圧

特別高圧よりも小さく、後述する低圧よりも大きい太陽光発電所で、代表的な広さはサッカーグラウンド1面ほどの広さとなります。

1メガ規模の太陽光発電所の場合、年間発電量はおよそ1,000,000khwほどが期待できます。

特徴として、上記の特別高圧と同様、設置コストは安くなりますが、ランニングコストが高くなる傾向があります。また、近年は送電線の空き容量の問題もあり、稼働開始までに時間がかかることが多くなってます。

2020年度からは、固定価格買取制度の改正で250kW未満の発電所ではそれぞれの出力区分に応じた買取価格が定められておりますが、250kW以上の大規模発電所の買取価格は入札で価格決定を行う点に注意が必要です。

C .低圧

フットサルコート1面ほど(〜1000㎡)の広さの太陽光発電所です。

49.5kw規模の太陽光発電所の場合、年間発電量はおよそ100,000kwhほどが期待できます。

土地付き太陽光発電所として人気のある規模の発電所で、高圧に比べ、規制が少なく、ランニングコストが低くなる特徴があります。

高圧太陽光発電所の開発に対し、条例による規制が強くなってきているため、必要な発電量を得るために低圧発電所を複数購入される方が多い印象です。

また、投資向けの太陽光発電だけでなく、再エネ調達のための発電所としても今後主力になる規模になります。

D.低圧(住宅用)

主に住宅用の屋根に設置する小さい出力の発電所です。

一般家庭4人家族の年間電力使用量が5,000kwhなので、その量を賄える5kwほどの設備から設置を検討することが多いです。

低圧なので規制が少なくランニングコストも安いですが、制度の買取期間が10年となる点に注意が必要です。

太陽電池発電設備を設置する場合の手引き
太陽光発電所の定格出力についての区分と詳細については上記をご覧ください。

経済産業省 より

パネルの設置方法による太陽光発電所の分類

最後にパネルの設置方法による分類と特徴について解説します。

一般的なタイプは「A.屋根設置」「B.地上設置(営農義務なし)」の上2つです。
住宅用の太陽光や投資向けの土地付き太陽光発電所として目にすることが多いと思います。

「C.地上設置(営農義務あり)」については農地法や農振法により農地以外への転用ができない土地で設置される太陽光の形式です。

パネル設置方法一般的な名称や商品名特徴
A. 屋根設置住宅用太陽光
屋根貸し型太陽光発電
建物屋根や屋上などに設置する太陽光発電所。
取り付け金具を屋根に設置しパネルを取り付ける。
B. 地上設置
(営農義務なし)
土地付き太陽光発電所土地付き太陽光発電所として多いタイプの発電所。
設置する土地の地目を雑種地にできるエリアに多い。
C. 地上設置
(営農義務あり)
営農型太陽光
ソーラーシェアリング
3m以上の高さに設置されたパネルの下で農業を行うタイプの発電所。
農地法や農振法などの規制により地目変更ができないため、営農の義務が発生する。
D. 水上設置フロート式太陽光発電遊水池や溜池に設置された発電所。
パネルを浮かせる設備を使い、水上に設置。
パネルの設置方法による分類

A. 屋根設置

住宅の屋根やコンビニ、工場、倉庫などの屋根や屋上に設置される太陽光発電所で、専用の金具を取り付け、パネル設置をします。

住宅用の小さい設備であれば、設置に問題はありませんが、設備が大きくなると建物(主に柱)がその重さに耐えられるかの強度計算が必要になります。

また、建物が老朽化している場合等、必要な容量が設置できないことがあります。

太陽光発電設備は投資回収に10年ほどかかりますので、設置する建物がその期間も耐えられる設計であることが大切になります。

B. 地上設置(営農義務なし)

土地の地目を雑種地に変更できる地域で選択される太陽光の設置方法で、条例による規制が少なく、投資目的の太陽光として最も人気のある設置方式です。

投資向けの売電型で人気の設置方法で、農地転用可能な農地、山林、雑種地、原野などの遊休地で設置されることが一般的です。

最近では、発電所から離れた施設へ電気を送る遠隔託送も始まり、再エネ調達目的で検討されることも増えてきた印象です。

C. 地上設置(営農義務あり)

営農型太陽光発電所やソーラーシェアリングと呼ばれ、農地法や農振法の規制により、農地以外に転用できない地域で選択される太陽光の設置方法です。

土地付き太陽光発電所のような空き地に直接設置される太陽光発電所ですが、以下のような違いがあります。

  • 営農計画を作成し、農業委員会から許可を得ること(定期報告あり)
  • パネルを地上から3m以上の高さに設置すること
  • パネルの下部で営農を行う(原則、収穫目標あり)

農地の上で行うため、土地の固定資産税は低く抑えられる一方で、一時転用申請の費用や営農によるランニングコストの増加が発生します。

D. 水上設置

事例は少ないですが、遊水池や溜池の水上を活用した設置方式です。

水に浮かぶ専用のフロート設備を使いパネルを設置し発電を行います。

設置前の土地造成工事が不要になるため、初期コストは抑えられる反面、専門的なメンテナンスが必要となります。

太陽電池モジュールと設置方法
住宅用の屋根設置事例の解説です。
その他、住宅用太陽光についてはリンク先の左メニューよりお選びください。

JPEA太陽光発電協会 より

地上設置型太陽光発電システムの設計ガイドライン及び構造設計例について
太陽光発電設備を地上設置する際のガイドラインです。

JPEA太陽光発電協会 より

公共・産業用(10kw以上)設置事例
太陽光発電設備の地上設置例の解説です。

JPEA太陽光発電協会 より

営農型太陽光発電について(ソーラーシェアリング )
営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング )についての解説です。

農林水産省 より

まとめ

ここまでご覧いただきありがとうございます。以上が弊社が考える太陽光発電所の分類と検討時のポイントです。

弊社では群馬県、埼玉県で低圧を専門に農地を転用した全量売電型発電所の建設を得意としております。

投資向けの土地付き太陽光発電所や再エネ調達用の太陽光発電所をお探しであれば、お気軽にお問い合わせください。